仕事を知るWorks

ある工事現場の風景

土木工事の現場を知る
「建築」が地面の上に建物を建てるなら、「土木」は地面の下に構造物を作る仕事。
建物を建てるのに必要なのは、強くて固い土台です。土木工事は、そうした土台をつくる大切な仕事です。
現場のリーダーである職長の仕事は工程管理、品質管理、コスト管理。そしてもっとも大切なのが安全管理です。そのため、現場の職人や下請けの協力業者さんへ、ヘルメットの正しい着用を呼びかけたり、動いている重機の周囲に近づかないよう声をかけ、やむなく近づく場合はいったん作業を止めさせるなどして、安全に関する危険予知を徹底します。

造成工事とは、何をするのか
まず、隣の土地との境界を明らかにします。次に、これから建物を建てる土地の高さまで、土を盛るか削ります。その後、堺市の場合は雨水と汚水の最終枡を作って設置。その状態で自治体の検査を受け、合格したらいよいよ建物の建築工事が始まります。

縁石(ふちいし・えんせき)を敷く
土木工事で最初に行うことの一つが、隣との境界線を明確にすることです。そこで、境界線に沿って縁石を敷いていきます。1cmでもずれてしまうと近隣トラブルの原因になる境界線。慎重を要します。工事の際は少し余裕をもって、縁石を設置していきます。

ブロックを積む
隣との境界に高低差がある場合、コンクリートブロックを積みます。ブロックは中に空洞があるので、空洞を埋めるためにトロトロのコンクリートを流し込み、固めて補強します。

土地を測る
土地を測ることを「測量」と言います。建物を建てるための測量では、「水平」を測っています。よく2人1組で、1人が機械のレンズを覗き、もう1人が離れた位置に棒を持って立っていますが、あれは基準になる水平のラインと、その誤差を見ています。「このポイントは低い」、「あちらは高い」と誤差をチェックしながら、広大なデコボコの土地の上で、水平になるための数値をはじき出しているのです。そしてその数値をもとに、土を盛ったり、掘ったりして土地をならします。 そうして、初めて水平な土地の上に水平な建物を建てることができるのです。

土地を造成する
あらかじめ決められた高さまで土地をかさ上げしたり、高すぎる場所を削りとったりします。そのために活躍するのが、油圧ショベル。「ユンボ」とも呼ばれます。このユンボにあるショベルを操作して、土地を掘ったりならしたりします。 このとき現場の土地の下からは、建物建設に邪魔なモノが出てくる時があります。以前建っていた建物の基礎の、コンクリート片や大きな石などです。これらは、土中に新たな配管を通したり、上に建てる建物の基礎をつくるときの邪魔になるので、丁寧に取り除きトラックで運び出します。

擁壁(ようへき)で、土を止める
造成する土地が周囲より高くなっている場合、周囲に土が流れ出さないよう「止める」必要があります。そのための壁を、擁壁といいます。
よくあるのがL型擁壁。まるでブックエンドのように、側面と底面で土地の土を支えるイメージです。側面が2.5mあったら、底版も2mほどと同じ程度の長さがあり、その底版に上からの土圧がかかり転倒しにくい構造になっています。
擁壁にはL字型の他にもいくつか種類があり、その土地の形状によって最適な擁壁を使います。

墨出し
建築工事において、図面に表した線や形、寸法を実際の地面に表示するのに使うのが「墨出し」です。地面に薄くコンクリートを引き、その上に図を写し取るのですが、まっすぐ線を引くために、墨汁に糸を浸して上から地面にパチンと糸を叩くように糸を落としていきます。墨とは、あの墨汁です。雨にも流れないので、今も現役で活躍中。
そうやって描いた図面から立ち上がるように、下から建物を建てていくのです。

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